離婚相手(監護親)が再婚した場合の養育費


 離婚した相手方(監護親=権利者)が再婚した場合、義務者としては、養育費を支払いたくないというのが人の気持ちというものかもしれません。
 しかし、この場合、一般的には、①子どもが再婚相手と養子縁組をした場合と、②子どもが再婚相手と養子縁組をしていない場合とに分けて検討する必要があるとされています(新版「離婚調停」278頁 秋武憲一著 日本加除出版 参照)。
 というのも、子どもが、権利者の再婚相手と養子縁組をすれば、第一次的に扶養義務を負うのは、実親ではなく養親となった再婚相手ですが(民法818条2項,877条,『新版注釈民法(25)』775頁[松尾和子],神戸家裁姫路支審平成12年9月4日家裁月報53巻2号151頁)、子どもが、権利者の再婚相手と養子縁組をしない限り、たとえ、当該再婚相手が相当の収入を得ていたとしても、法的には養育費の負担義務を負わないため、再婚相手の収入を考慮することができないと考えられているからです。


 前記のしたがい一般論的に考えると、① 離婚した相手方(権利者=監護親)が再婚し、再婚相手と子どもとが養子縁組をしていない場合は、依然として養育費を負担する必要があり、② 再婚相手と子どもとが養子縁組をしている場合には、原則として養育費の支払いを免れるということになろうかと思います。
 勿論、②の場合であっても、再婚相手(養父母)に経済的資力がない場合には、実父母として扶養義務がありますが、これは二次的なものということになると思います。


 以上が概ね原則的な考え方になると思いますが、若干、疑問もあります。
 すなわち、前記の考え方によれば、離婚した相手方(権利者)が再婚した場合に、再婚相手と子どもが養子縁組の届出をしたか否かという一事で、実親が基本的に養育費の支払いをするべきか否かが決められることなりますが、それが妥当なのかどうかということです。

 再婚の場合、再婚相手の子ども(いわゆる連れ子)が小さければ小さいほど、養子縁組の有無とは関わりなく、再婚相手は父親ないし母親としての役割を果たすのが普通なのではないでしょうか。
 そうだとすると、男女関係の場合には、婚姻届けが出されていない場合にも内縁関係として一定の法的関係が認められているのですから、これと対比して、養子縁組届けが出されていなくても、事実上の親子の関係が認められる場合には一定の法的関係を認めても良いような気がするのです。
 感覚的には、実親である扶養義務者としては、離婚した相手方が再婚し、再婚相手と子どもたちが養子縁組をしたか否かに拘らず、原則として養育費の支払いを継続するべきで、他方、当該再婚相手が、特に収入が多いというような特段の事情があれば、子どもと再婚相手との間に養子縁組がされているかどうかに拘らず、その収入を考慮して養育費を減額するというのが妥当な気がします。
 

 

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